園芸療法を用い、五感で感じ集う庭

敷地の南・東面が東京都の保存林に接した高齢者施設。
雑木林に囲まれたこの施設は現在も武蔵野の面影を色濃く残しています。その立地を生かす為に、自然の風景から建物に近づくにつれて徐々に園芸種へと推移させています。
「水を眺めて心を落ち着かせる」「入居する方たちが懐かしいと感じる植物を植える」「葉の大きさや色、花の色彩を様々にする」「上を向いてもらう仕掛けを作る」「野菜や果樹を植えて、収穫と食べる楽しみを加味する」など、園芸療法を行える五感に訴えかける庭造りを基本にしました。
観賞用の庭のように美しさを最優先にした庭ではありません。生活の場として、高齢の方が親しみやすく、利用しやすい設計を大切にしました。また、入居者やそのご家族、近隣保育園児などが集い、交流する場としてのオープンガーデン機能も持たせています。